BREAKING DAWN

ゆるくしぶといファン

わかはいをたくをいつまでつづけるの

※わかはいをたくやめるけど推しのをたくはやめないよというポエムです※


今年もきっちり大好きなままで、この日(2月10日)を迎えた。
オリンピックイヤーの2020年になったというのに、2013年2月10日の眼差しに囚われたまま。
あのときは東京オリンピックなんて果ての果てだったのに、今年やんけ。事実って残酷。


推しがわかはいになったので、必然的にわたしは「アーティストのファン」に加えて「わかはいをたく」になり、この肩書を貼り付けて2年間わかはいをたくをやった。
そしてこの冬をブチ抜きながら、わたしは「わかはいをたく」としての終わり時を探していたのかもしれない、という考えに行き着いた。


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幸せなことに終わりが見えないのだ。本当に幸せなことに。
事務所に所属した、CDを出した、メジャーデビューした、2ndシングルを出した、アルバムを出した、主題歌を担当した、ドラマに出た、舞台に出た、写真集を出した、FCができたetc...
まだまだ叶えられていないこともたくさんあるだろう。上にのぼっていくしかない。推しが着実に活動の幅を広げ、ステップアップしていく姿を見れるのは楽しい。
でも、今の熱量でずっと彼を応援できるか?


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7年前、久しぶりに彼の姿を見たとき、心に決めた。
過去に行くことはもうできないから、これからは行けるだけ行き、見れるもの、聞けるものをできるだけ享受しようと。
大阪時代は彼の予定を優先して、動いていた。それでも、諦めた現場はたくさんあったけれど。
彼の東京行きが発表されたとき、わたしもファンとして一区切りついたと思っていた。が、うっかり仕事で東京配属になり、追いかける形で上京した。
嬉しい大誤算だった。
徐々に彼を見る機会が増えて行った。
ラジオやネット番組をはじめ、路上でライブをし、CDを持ってモールライブを行うようになった。
引き続き、彼の予定を優先して、東京でも動いた。
ファンをするには時間と労力がかかったが、それさえ惜しまなければコスパもよく、楽しい現場続きで気持ちも穏やか、牧歌的な日々だった。
(将来の活動を危惧して勝手に鬱々していたこともあったが)


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再び2.5次元舞台に出ると発表されたとき、ついに来たか、と思った。
わたしも「わかはいをたく」になるのかと。
彼は音楽をやりたくて俳優をやめたけれど、今度は音楽をやるために俳優をやる。
応援するしかないじゃないか。
その舞台は中止になってしまったけれど、一年も経たないうちにビッグタイトルへの出演が発表された。
ミュージカル『刀剣乱舞』。


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端的に言って、狂わされた。
トライアルから足を運んでいたものの、推しが出るとなるともう死に物狂いだ。見えてくる景色も違ってくる。
さようなら、牧歌的な日々よ。


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楽しくないことがたくさん増えた。
牧歌的な日々にもしんどいことや辛いこともあったが、刀以降段違いに増えた。
大阪時代からそうだが、彼が姿を見せる仕事をしているのに、行かない、という選択肢をとるのはわたしの中で毎回苦渋の決断だった。
悪い癖だ。加減というものを知らない。行けるものには行ってしまう。お金はあとからなんとでもなるものだ。


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映画での劇場行脚も体力的にしんどかったが、一番辛かったのが刀のチケットが手元に揃わないときだった。
本公演、らぶフェス、歌合と経験したが、本当に本当に精神的にしんどい。
遠征で体力が削られたり、貯金が減っていくこともつらかったが、チケットを揃えていく期間が一番嫌いだった。
行くと決めている公演なのにチケットがない、という恐怖。
身内と連絡を取り合いつつtwitterをひたすらスクロールする。
★マークをつけ、はやく取引中になってくれ、と願いながら流に日参する。
具体的な座席もわからないのに定価の何倍かを払うなんて正気の沙汰じゃない。
でも、このグラグラな精神を鎮めることができるならいい買い物じゃないか?いやいや、ここは最後まで粘るべきだ。
結局は流に手を出さずに済んでいるが、いつ越えてもおかしくないボーダーの上を走っている。


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楽しくないことが増えたが、同時に楽しいことが段違いに増えた。
なぜ刀に出たんだ…と恨みがましく思う反面、同世代のキャストと楽しそうに過ごしている推しを垣間見ると、この作品に出てくれてありがとう!という感謝の気持ちでいっぱいになる。
現場に行けば、板の上に立つ彼があまりにもまぶしく、アドレナリンだか何だかわからないが、とにかくハイになって、好きという感情がすべての苦しみを打ち消してしまい、楽しい気持ちに塗り替えてしまう。
推しってすごい。
二、三か月に渡る苦しみや葛藤を、ほんの何秒かで帳消しにする上、めちゃくちゃ楽しい気持ちにさせてくれる。
苦しみでさえ、終わってしまえばあれもいい思い出かもしれない、と錯覚を起こさせる。


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我ながら、今回の歌合はよく駆け抜けたと思う。
元々ある程度行く予定ではあったが、彼の追加出演が発表されたとき、この冬はブチ抜こうと決めた。
理由はいくつかあるが、一番大きな理由は自分の納得いくまで「わかはいをたく」ができる最後の機会だと思ったからだ。
自分が好きでやっているのは百も承知だが、定期的に訪れるチケット取りやその他もろもろで心底疲れており、解放されたかった。
「わかはいをたく」になったことで、知りたくなかったことも知るべきだったことも学ぶことができたし、世界が広がった。よくも悪くも。
そのきっかけを作った作品だ。駆け抜けて見届けて、わたしの花道にしてやろうじゃないか。


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公演の中で、彼は大活躍していた。
毎回いろんな角度から魅力的で、全く飽きなかった。夢中で見ていた。
そして最後に、全く期待していなかったファンサをもらえた。
誉ぽん、とされた気分だった。
ここが集大成だ、と思った。
「わかはいをたく」を卒業するときが来た。


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「をたく」と名乗れるのはどこからどこまで、というのは人によって違うと思う。
自分を分類するとき、わたしは彼のをたくだと自称できるが、他のゆるく応援している人にはをたくとは名乗れない。
わたしがをたくと名乗れるのは、今のところ彼に関してだけ。
わたしの中で考える「わかはいをたく」として満足できるところまでやりきったと思う。
通えるだけ通ったし、ほんの少しではあるが席にもこだわった。
ありがとうけんらんぶ。きみほど楽しくて辛いコンテンツはないと思います。
わかはいをたくからは足を洗い、これからは原点に立ち返って「ゆるく、しぶとく」をモットーに彼の「をたく」をやりたいと思う。



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全力でをたくをやる刺激的な日々は楽しかった。
人生は長い。
ゆるく、しぶとく生きて行こう。


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来年の2月10日も大好きなまま迎えているんだろうな。


おわり。