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ゆるくしぶといファン

【感想】音楽劇『まほろばかなた』

良かったから配信見て。
www.dmm.com

あと主演の阪本奨悟が今年のガチクリスマスにワンマンライブをやるのでぜひに。
www.doncrew.com
今週末11/12(土)に一般発売なのでぜひに。


それでは、以下感想です。

初めての西田作品

とりあえずめちゃくちゃ長くなる、カテコもえげつないくらい長くなる、と聞いていたので、大楽日の帰りの便を遅めにしたら航空会社都合で更に遅くなってて笑った。なんでやねん。


さて、キービジュが発表されたとき、ウーン勝利では?と思っていたのですが、幕があがって阪本さんの歌がパーンと響いてきたときには「えっ…優勝やん?」と確信しました。
音楽劇、と銘打っているとはいえ、どれくらい歌うのかなあと思っていたらガンガン歌ってくれるのでうれしい。
最初のOPはテンション上がりますね。
ああいうキャストが次々出てくる演出好きだなあ。



高杉晋作と、阪本奨悟

高杉晋作、は鬼才であり掴みどころのない人間、そして病に冒されていたというと、阪本さんとはなかなか親和性があるんじゃないか。
お雅と初対面時、延々とすっとぼけているところをはじめ(スタッフに止められてもマイペースにボケ続けるところとか)、誰の断りもなく軍艦2隻を買ったというくだりで、(藩にお金の工面を)頑張ってもらわないとねぇ…と超々他人事に言うところとかとか。
飄々と振る舞う姿が良かった。
表情も、すっとぼけたところから大真面目なところ、少し涙ぐむところまで幅があり、見ていて楽しい。


それに、阪本さんの武器といえば圧倒的色白と透明感。
板の上に立つ度、ひとり人間レフ板やなあと思っていたのだけれど、今回はその上行ってた。
追加の照明が焚かれたときなんか目が焼けると思いましたわ。でも白飛びせず美しい顔面が見れたのはさすが。
色白と透明感のビジュアルのおかげで、病弱感もありました。
といっても、羽織や帯のおかげで体の薄さはうまく隠されていたので、武士として違和感はなかった。あれはよきスタイリング。
刀の中だと小柄に見えるけれど、女性陣と並ぶと途端に青年になっていて、焚いた。
漢らしい役を見れるのは純粋に楽しい。


西田さんの舞台といえば殺陣が必ずある、というのは聞いていましたが、過不足ない量だったと思います。
白い羽織も相まってひらりと身を翻しながら軽やかに敵を倒していく姿は美しかったですね。
くるくる回って刀を振り下ろしたり、長物を使ったりと、あれ阪本さんこういう動き出来るんですか…?!と驚きもあった。
堀川くんのイメージが強かったから、新鮮。


わたしは阪本さんの顔面が好きなんですが(改めて)、舞台では横顔を拝めるシーンが多々あり、おでこから鼻先にかけてのシルエット大好き人間としてはありがたかったです。

桂小五郎

桂小五郎がめちゃめちゃすごかった。
大楽は特に松田凌さん演じる桂小五郎の凄まじい迫力に、阪本さんの高杉は割りと食われていたんじゃないかと感じてしまった。
殺陣も歌もいつ崩れてもおかしくない重量を保ちながら勢いよく進んでいくという、絶妙なバランスを取っているあたりが、さすがだなあと思う。
一方、静の場面ではぼそぼそしゃべるようでいて、芯の通った声で相手にしっかり要求をつきつけるので、対比が大きくてよかったです。
松田凌くんの演じるということへの熱血ぶりがよく伝わってくるので、凌くんのヲタクは見ていて楽しいだろうなと身内を話しました。
わたしは阪本さんの演技はもちろん好きだけれど、もっと高みを目指せるんじゃないか、と松田さんを見て思いました。
上で、高杉晋作阪本奨悟はわりと親和性があるんじゃないかと書いたけれど、結局はきれいにまとまりすぎたんじゃないか。
もっとサイテーのクズ野郎という面を出してもよかったんじゃないか。
でも、ここまで考えた上で、桂小五郎はとにかく濃かったので高杉晋作はあっさりしているくらいでちょうどよかったのかもしれない。
若手組は緩和させたり華やかにさせたりといろんな効果を発揮する俳優さんばかりだったけれど、グッと芝居を締めていたのは松田さんの存在感でした。
大楽ではけていくとき、松田さんが阪本さんの背中をバンと叩いたのが、「戦友!」という雰囲気で非常に良かったですね。
また共演があるといいな。


それにしても、自決しようとした桂を止めた幾松とのやりとりの場面は、自決を巡る話なので血なまぐさいのだけれど、色っぽくあって、妙に迫力があった。
アダルティーな雰囲気は桂と幾松が担っていて、高杉とおうのはゆうてピュアピュアな感じだった。
どこかの場面で、高杉がおうのを抱きしめて、肩に頭を預けたのがグッと来たのだけれど、次の公演ではなくなっていたのが寂しい。

本妻と愛人

劇中、ふたりは友好的な関係だったので、あっそういう感じですか、と思ったのだけれど、見事に高杉による女の使い分けがあって、う~~~んなるほどね!て感じ。
体の不調を心配するおうのには、諭すように「舞いを踊ってくれ」と言うだけで、結局愛人という立場なんだな。
おうのの立ち姿も芸姑というよりお嬢さんで、高杉とはお花畑にいるピュアピュアカップルみたいな感じ。
ラストの高杉が打たれようか、という場面ではキラキラ紙吹雪が降ってくるのだけど、ある意味幻想的できれいなままのふたり…っていう感じだった。
(初見では、イクスピアリのライブで雪降らせる演出したときを思い出した)
一方、高杉がお雅には満面の笑みで「(お前と結婚できて)当たりくじだ」というのには、ハ~~~~憎いねぇ!と思いましたわ。
伴侶には伴侶にふさわしい言葉を、愛人には愛人にふさわしい言葉を発する高杉…。
これを阪本さんがやってるのかと思うと、もっとエグい芝居を観たいなって思いますね。
他作品の名前を出して恐縮だけれど(いつものことや)スリル・ミー出てくんないかなあ…!


お雅役の富田さん、殺陣しながらでも歌うまだし、芝居のメリハリもあってみていて楽しいなあ、と思っていたら経歴見て納得。
ツンツンしていた少女時代から、奥さんになってすっかり落ち着いた雰囲気になったのも素敵だった。
おうのが訪ねてきて、お雅が高杉は上海に行ったことを伝えたとき、高杉不在なのに、信頼されているような雰囲気があって圧倒的「妻」でした。
もっと奥さんお雅と高杉のやりとりを見てみたかったですね。まあ一緒に住んでる時期短いっていってたからしゃあないんでしょうけれど。
(くじを引いた後の場面で、口づけをお雅にねだる高杉かわいいし、拒否られているのもかわいかったです)

若手組も骨をしっかり作って支えるのと、スパイスを利かせる立場で、良かったですね。
糸川さんの身体能力すごい。
殺陣をしながらの歌はさわやかさと熱さがあってよかった。正直テニミュっぽい青さもあって、大昔義務教育だった人間としては好き。
あと少年ぽいと思っていたけど、顔面は普通に美だった。
和合さんもなかなかすっとぼけキャラでしたが、高杉とは違う方向性で、出演量の割にインパクト強強でさすが。声も通るしオモロな人でいいな。
あのソロ歌も面白くて好きだな~と思ったら、大楽で座長がぶっこんできてわろた。お気に入りなんかい。
廣野さんは連日アドリブに奮闘していたのに、大楽ではあっさり省略されていて、あんだけ延々とやってたんだからもう少し枠割いてあげてもよかったのでは…?とアドリブいらん人間なのに思ってしまいましたね。
割とアドリブ場面は無で見るんだけど、なかったらなかったで廣野さんが不憫になる。
伊藤は高杉に負けず劣らず女関係ではなかなかのクズだけれど野心もあり行動していく姿が印象強かったです。
廣野さんの芝居、また別の所でも見てみたいね。
あと経歴見たらテニミュで財前、あーだからあんなにアドリブするのね!と納得。
(今wiki見たら、中止になった進撃にも出る予定だったとか…?!こんなところでこんなご縁)
アドリブといえば、前楽で高杉が「どう思いますか?!C列5番の人!」って叫んだときには思わずフハwwってをたく笑いしたんだけど、その後「なんであんなアドリブで笑ってしまったんだ…」と身内と反省会した。
見切り発車すんな!とお雅にも怒られていて、わたしも怒られているように錯覚しました。

松陰先生の処刑場面では、本場の振る舞いを見ることができて見ごたえがありました。
先生を取り囲んで、山縣高杉桂が拍子木を打つのだけど、あれ結構難しいのね?結構音がずれてたり。
とはいえ、阪本さんがよそ見せず拍子木打ってる!で感動していながら松田さんを見たらさすがのキメで、さ、さすが凌ぴ~!と思った。

最後に

阪本さんの主演がこの舞台でよかったな~と思いました。
純粋に焚ける。
今まで刀で天狼傳、むすはじで何回も幕末見てきたからストーリー余裕余裕と思ってノー予習で見に行ったら倒幕側の話だったから、はて???となるところが多かったのは反省でした。
とはいえ、みんな大好き幕末時代の話ってことで、うっすい知識でも楽しめました。


あと舞台と関係なく最後に文句マンするんですけど
FC内のチャットに参加したスタッフが大楽迎えてないのに舞台内容に触れて少しネタバレしたのには萎えたし(オイコラここはTwitterちゃうんやぞ)(ストーリーに触れてはいないけどそもそも倫理観だいじょぶそ???)(大丈夫だったら書き込んではいない)、大楽終演後に最初に書き込むべきはスタッフではなくタレントやろなんでスタッフが一番に書き込むねん、と憤ってしまったので、今後なんとかなりますように。
あと良い仕事とってきてくださいお願いします。
あとワンマンライブもっとtwitterなりなんなりで宣伝して。FC内では周知の事実よ。


繰り返しますが12/25(日)開催ワンマンライブのチケットが、今週末11/12(土)に一般発売されます!
しょごたんの歌、ええやんと思ったらぜひライブへ!!!!ガチクリスマスだから、例年以上に「僕のライブに来てくれるなんて、皆さん予定ないんですか????」って煽ってくれるよ!!!!(煽らなかったらゴメンネ)

久々の観劇感想の記事をあげたのに、文句マンで終わってしまった。
次回は遠征の記録なりをかけたら。

おわり。



アプリDLが面倒で適当にモザイクかけたらめっちゃ雑モザイクでした。。。

ミュージカル『刀剣乱舞』 幕末天狼傳2020

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※すっかり茶の間になりましたよというアピール


幕末天狼傳初日おめでとうございました!と声高らかに言ったのに、なんともうまくいかない世の中ですね。
わたしがチェックできる範囲でも、ぼちぼち始まり、完走する舞台がいくつかあったので、幕末や双騎も最後まで完走するかと勝手に期待していたので、本当にしんどい。
無事に再開されるよう祈るしかないですね。


以下、感想。

一幕

そういえばこれミュージカルだったね、と思い出すくらいには曲が多くなっていたし、全体的に壮大な曲調になっていた印象。
歌合で音楽担当されていた和田さんが入った影響ですかね。
1月にガラコンが予定されていますが、「選ばれぬ者」を生オケで聞いたら、すっごいいいと思うけどいかんせん歌う人がなー…


推しが歌っている姿を見たかった「爪と牙」、「ひとひらの風」も引き続き採用されていて嬉しかったです。
爪と牙は、振り付けが絶妙に懐かしいダサさがあるけど、幕末初演時には全体的な振り付けのダサさに慄いたので、全然許容範囲内。
ひとひらの風もよかったんですが、歴代屈指の初演演出を越えられなかったかーと思いました。


わたしの悪い癖なんですが、刀剣男士については堀川くんに集中しすぎていて、他の会話がよくわからなくなる現象に陥ってしまいました。むすはじでも同じようなことやらかしてたのに、歴史を繰り返すねえ。
加州が突然ぶるるる…って頬っぺた鳴らしたときは、えええええどうしたよ急に?!ってなったので。



間組

身内が「(テニミュの)一年トリオじゃん」と評していましたが、それ聞いてから見たら、結構一年トリオだった。
大筋は悲しい話なんだから、変にきゃわで楽しいナンバー入れないでほしいですよね!可愛かったからいいけれど!


ふまたんの沖田くんは小生意気要素強めの儚げな青年でとてもよかったですね…!
新近藤さんも、実際の近藤さんの写真に似ていて笑った。ただ、沖田くんや土方さんと比べたらちょっと視線が定まらなかったり、台詞が単調になってしまうのが気になったな。しかし、実直でみんなを率いる、親しみやすい局長でした。


土方さんはね~~~もう見たら泣いちゃう。条件反射よ。
むすはじでの最期の微笑みが脳裏をよぎってしまって、もう薬箱背負ってても、だんだら羽織を嬉しそうに着ていてもなんでも泣いちゃう。
「近藤さん、囲まれちまったなァ!」で始まる局長との最後のやりとりも、もうマスクずらしてハンカチで顔抑えながら見てた。


間組、というか沖田くんも近藤さんもめちゃめちゃ歌うな?!
討ち入りのときの曲は結構好き。
単純にかっこいい。

虎徹兄弟

初演より長曽祢さんの描写あっさりしてない…?
心中を吐露せず、表情に影が残る長曽祢さんの雰囲気が、初演の方はもっとあった気がするんだけどなあ。
蜂須賀も、そんな兄を見ながらイラつきながら隊長として任務を取り組むという、箱入り坊ちゃんでも奮闘しているのがよかったのに、推しに集中しすぎていてあっさりした印象を抱いちゃったのかな。


幕末の感想を問われれば、今まで開口一番「虎徹兄弟(の歌)がヤバい」と答えていたんですが、再演でも期待裏切らないでそれでこそ幕末!って感じでしたね。
初演観劇時、とにかく虎徹組の不協和音が強烈で唖然としていた記憶しかなかった。兼さん激細体型よりも虎徹組が強烈だった。
年末の祭りを何回か経ているだけあって、ひとりで歌うにはちょっとだけ良くなっていて、しかし、やっぱり不協和音なんだよなあ。(やっぱり不協和音)
虎徹兄弟が、物語の要である大事な一曲を、不安定な音程で自信満々に歌い切る姿に安心感を抱いてしまうので、ここまできたら蜂須賀の勝ちな気がする。
とはいえ、この兄弟の顔面偏差値の高さは好きです。絵になるよね。


友人が、蜂須賀が動くたびに衣装がミシミシいってる、と言っていたので、その後注目してみたら本当で笑った。



沖田組

一時期、赤い人(加州)が苦手になりかけていたんですが、一幕の猫の歌を二人で仲良く歌っているのを見ると、きゃわだ~~~と思って許した。全部許した。
やっぱり加州は刀ミュの顔だな~と思ったし、ある一定の層を熱烈なファンにする力を持っているなと思いました。カリスマ性ならあんたが一番だよ。
初演時の加州についての感想メモを見返したら、あつかしからの成長というかふるまいに着目していた。
長らくあつかしを見ていないので、そういう観点から加州を見ていた時期もあったのか~と、ここで初めて初演が4年前という事実に恐ろしくなった。4年前はこんなに刀にずぶずぶになっていなかったのに。


幕末天狼傳では虎徹組の不協和音にびっくりしちゃうのがひとつの目玉(?)ですが、安定が健気でかわいいこともびっくりポイントですね。むすはじと年末祭を経てから見るとお前誰やねん状態。
1幕の猫の歌では、「どこがポメラニアンやねん!」と思いました。
真剣乱舞祭2018で「ぽめぽめ♪」とポニーテールを揺らしていたのを思い出して突っ込みながら見ると楽しいです。



土方組

何回も言うんですけど、わたしは兼さんのさっぱりした性格が好き。
全体曲でも、蜂須賀に語りかけるときも、過去を割り切って今に向き合っているのがいい。
そのくせ、むすはじでは思い悩んで結局遂行できないんだよな~と思うと、その不格好なところも好き。
さらっと蜂須賀をサポートするのがかっこいいですね。見た目をほめて、その刀の実力もほめるの、良い教育方法じゃん(?)


幕末での堀川くんはサポート役(兼さん)のサポートかと思っていたら、要所要所でミュージカルしたり、物語を締める立場にいて優勝していた。
27歳(中の人)の堀川くんが楽しみ~!と言ってたんですが、とても楽しかった。
パンフレットの座談会コーナーでかやのせんせからの評価がポロっと出ていましたが、しっかり製作からの期待に応えていて、さすが優等生~~~!となりました。


虎徹組に話しかける曲は、メロディー展開がディズニーミュージカルで可愛さがあふれていましたね。
「沈黙に負けるな!」と長曽祢さんに向かっていくところ、鋼の心を持っている中の人とリンクされて、このパートは思わずにやにやしちゃう。
わたしが見た回では珍しく声が裏返っていて、かわいかったです。
それに「脇差の力を見せるとき!」(歌詞うろおぼえ)の「き」で口をきゅっと結んでいたのもびびるほどかわいかった。
え~~~堀川くんかわいいの聞いてないよ!(いつもかわいいのはめちゃくちゃ知ってる)


合わせ鏡のソロも、かわいさを残しつつ、気持ちいいんだろうなあっていう音程で歌っていて、いい。
それにさりげなく立ち位置チェックしていてかわいい。大体どの曲でも立ち位置チェックしてる堀川くんですが、ソロのときは多少ズレててもよくない?って思うんですが、相当こだわりがあるんですかね。


かわいいポイントがたくさんある堀川くんですが、潜入中の安定に接触する堀川くんはスマートに動いていてかっこよかったですね。あれは闇討ち暗殺が得意な堀川くんだわ。


願わくば「理由の在処」も聞いてみたかったけれど、ガラコンかどこかで歌ってくれたらうれしいなあ。


1幕ラスト、土方組の会話で最後に堀川くんが「はい、兼さん!」と元気に返事し、「ひとひらの風」のイントロ流れてくるところは、その後続くむすはじが感じられて郷愁の念にかられましたね。
下手階段で、兼さんの横にしつこくにこにこ座る様子が、堀川くんのハートの強さを表していてとてもよかった。



物語

特筆すべきは、沖田くんに話しかける猫が最後「よきかなよきかな」と言うところですね。
いやーーーー、よきかなよきかなじゃねーんだわ。
初演のときは猫は時間遡行軍で、すごい演技がかかった話し方だったと思うんですが(たとえるならフリーザさま?みたいな?ドラゴンボール知らんから間違ってるかも)、今回は三日月(仮)だから淡々と近藤さん処刑を知らせるんですよね。
猫の言葉を聞き、板橋に向かおうとするけれど病で倒れこむ沖田くんを前に、加州と安定が会話をし、沖田くんに近づいて暗転…。
まさか…と思っていたら、血を吐きながらも近藤さんのもとに駆け付ける沖田くんと、沖田くんに向かう時間遡行軍を倒していく沖田組が現れて、いやもうアウトじゃん…??????と思うんですけど、大きな歴史の流れにしたら些細な変化なのか。


初演では、時間遡行軍が沖田くんに乗り移って無理やり処刑場に乗り込んでいたけれど、再演では三日月が沖田くんに処刑の事実を伝え、気合で来させたってこと…?(薬を飲ませた可能性もあるけれど)
倒れている沖田くんを前に、安定が加州に「お前が折れるときはなにもできなくても俺がそばにいたい」みたいなことを言っていたので、もうふたりでダークサイド落ちる気満々じゃん…とわたしは捉えました。
観劇当時は、安定がまた健気なこと言い寄る…って涙ぐみながら見てたんですが、落ち着いて考え直したら、いや待て待て、って感じだわ。
不器用な虎徹組が一生懸命お互いを、近藤さんの死と向き合おうとしてる中、なんなら土方組も支えようとしてたのに、しれっとふたりで闇落ちしようとしないで!
結局沖田くんを処刑場まで連れてきてしまい、加州は堀川に「止められなかった、ごめん」と謝るのですが、堀川もあっさり「気持ちはわかりますから!」と返して終わるところも、ええぇ?となる。いやまあ、気持ちはわかるかもしれないけれど…。
でも堀川だから、こういう返しができたのかな。
任務も大詰めの場面でそこまで時間はとられないし、この本丸の男士たちはあっさりしてるところあるから、沖田くんが来てしまっても大きな問題ではないと認識していたのもあるかな。


また、今回の再演で引っかかっているのが、加州の「間違えたら、間違えたところからやりなおせばいい!」という台詞。
初演でも言ってるかもしれないんだけど、見直す手間を惜しんで書いちゃう。
三日月だと明言されていないので、三日月(仮)なんですが、沖田くんに話しかけた猫が三日月(仮)ならば、この幕末天狼傳は二周目以上と解釈していいかと思います。
で、加州と安定は板橋へ向かう沖田くんを手助けしてしまうという、刀剣男士としては誤った選択をしている。
ここで、加州の「間違えたら~」の台詞がどうもわたしの中で引っかかってしまっている。


なぜなら、このあと「結びの響き、始まりの音」の再演が控えているから!!!!!


公演やるなんて決まってないけど、どの話も再演はするってえらおじ配信で言ってたからやると認識しているんですが、当方むすはじの女のため、キャス変してもむすはじは見届けたいんですわ。
幕末でこんな伏線はられたら、もう不穏中の不穏じゃん。
堀川くんの突撃は、磔は?!それに巴さんの物語はどうなっちゃうの~~!?!?!ってことで、混乱のうちに終わってしまった幕末でした。
でもこういう展開は嫌いじゃないから、はやく続きが見たい。
ある意味三日月に思い入れないからこういえるのかもしれない。



二幕

冒頭の舞う場面はきしょうで散々クレームが来たんだろうと容易に想像できましたね。
神秘的かつ男士がしっかり認識できたので満足度は普通。(あくまで普通)
もうちょっと全体的にライトは明るく広く照らしてもいいのになとは思ったけど、スポットライトと暗闇によって、現れては消える、という演出は良かった。


スタンドマイクが出てきたのには面食らったけれど、大人で色っぽいナンバーでよかったですね。
一幕で長曽祢さんは相変わらずリアコ枠だなーーと思って見ていたんですが、二幕で確信に変わった。輝くリアコ枠。
堀川くんは違和感なくマイクスタンドの演出を決めていたけれど、やはり可愛さはぬぐえなかった。
わたしはこの曲とか「Stay with me」とか「誰のモノでもない人生」とか、裏打ちしたい派なんですけど周りはそうでもないんだなって戸惑った。


コーレスは、堀川くんだけ日替わりがなさげでさみしい。
拍手で精いっぱい応えたいけど、はやくコーレスできる世の中になってほしいなとひしひしと感じたわ。(むすはじのコーレスコーナー好きだった)


第一形態の黒くて重たい外套から、第二形態の白くてキラキラの衣装になったとき、ぱあっと華やいでキレイでしたね。
二の腕がオーガンジー?で透けているの、流行りにのっていてかわいい。
余談ですが、サイドシートで入ったとき、下手の袖があいてることが多く、キラキラ衣装がラックにかけられているのが見えて、その前で衣装さんがだんだら羽織を整理してかけなおしていたのが見えてちょっと面白かったです(舞台を見ろ)
安定と蜂須賀の曲は、もうちょっとキャッチーだったらよかったのになあと思う。


堀川くんソロが来たときは、またか!(嬉しい)と思いました。
でも、「僕がいる場所」より、なんかあんまり手放しで印象深くならなかったなって思う。歌詞のせいなのか、曲調のせいなのか。
「僕が~」は、中の人の歩んできた人生とリンクされるところがあったし、最後のロングトーンが明らかに日替わりでアレンジ加えそうだなってわかりやすかったので、そういうフックが足りなかったのかも。あるいはわたしの感受性が落ちたのか。
演出で上手にあった椅子にちょこんと座っていたのも、ちゃんと座ってていいこ~~~かわいい~~~~ってなった。大体の男士、椅子があったら上に立つよね。(巴さんとか加州とかStay with me組とか)
そういえば一幕のラストもひとりだけしれっと階段に座っててかわいかった。かわいい子には座らせよ、ですね!(???)


今回の新曲では兼さんと長曽祢さんの曲結構好き。なんか古臭いけどアニメのOPっぽくてまだ印象に残りやすい。
冒頭、兼さんもソロ!?土方組はソロなの?!と驚いていたら、上段から長曽祢さんがラップで入ってきたのには笑った。めちゃくちゃ正しい不意討ちじゃん。
兼さんが足かっぴろげて低く姿勢をとるのも好き。ひょろひょろだったのがたくましくなったねえ、と思う瞬間。


加州ソロは、これまた色っぽいメロディーで、単騎だなあと思いました。(単騎ミリしらだけど…どっかで行っておけばよかった)
堀川くんのソロもしんみりした系だし、加州ソロも結構辛気臭い系だったので、どっちか片方がかわいいが爆発したみたいなポップな歌やればよかったのにな~と思う。


しっぽり加州がきめたところで、みんな大好きKEYMAN~~~~なんでここでようやくエンジンかかりはじめる曲をやるんだろう。
正直二部で一番曲が印象強いのKEYMANなんだよな…既存曲…
とはいえ、おそろしいほどガタガタ揺れるセットの上で足を大きく使うダンスをキメた土方組はえらい。
堀川くんも中の人は高いところ得意じゃないのによく頑張ったってほめたくなるね。
堀川くんがちょこんと腰かけてにこにこ愛想振りまいていて、その前で他の男士はばきばきにダンス踊る構図大好き。
兼さんもわざわざ階段降りて前に合流したのに、堀川くんはひとりでにっこにこ落ちメロ歌っていて好きじゃん。


一番おもろだったのは、脱ぎ曲。
長曽祢さんがツカツカ出てきてドヤ顔で「S・Y・O SHOWTIME」って言うんだけど、言われたこちらとしてはエスワイオー…???ってぽかーんだよ。SAY YA OSUの略かな。(適当)
第三形態の堀川くん、友人が海外航空会社のCAさんみたいって表現していたんですけど、そういわれるとCAさんぽくてかわいい。
現地で見たときまったく気づかなかったんですが、背中が大きく空いてるんですよね、、、、次入ったとき絶対見てやる。


縄跳びチャレンジのスタートをかけるときの堀川くんの鎖骨、優勝しているのでぜひをたくには見てほしい。
縄跳びに失敗した安定を「あーっ!」と指さして笑ってから蜂須賀見る堀川くんはかわいいし、縄をたばねた後、段の下から出てきたダンサーさんに渡す堀川くんもかわいい。


バチについたフリンジは、太平の世を築いた家康様にしか許されていないと思っていたので、男士も持たされていたのには本当に驚きましたね。
沖田組と長曽祢さん、兼さんは太鼓叩きだすし、これは堀川くんも…?!?!ってわくてかしたら、鐘を鳴らしてて配信初見時ひっくり返ったよね。(おおげさじゃなく、リアルに椅子から転げ落ちました)
蜂須賀ですら太鼓叩いてたのに。
でもこの鐘鳴らす姿を見ると、路上ライブのときに鈴を観客に鳴らさせたり、自分で鳴らしていたのが思い出されて、なんだかにこにこしちゃう。
鐘を鳴らしながら下手から飛び出してきたとき安定の顔を見てびっくり笑顔になってるのもかわいい。


長曽祢さんと兼さんのでかいコンビは、最初の舞やデュエットでも思ったけど、舞台映えするから、かっこいい。
腰を落として大太鼓をたたくのが文字通り画になっていてかっこよかった。


間組の太鼓も、さすが新撰組は迫力があり見ごたえがあった。
大太鼓を前に、局長が途中キツそうにしているのが背中からわかったのは、ある意味愛嬌があった。
22日の昼、沖田くんの様子がおかしいぞ…?と思ったら、たすきがほどけてしまっていましたね。涼しい顔しながら、手元はなんとも打ちにくそうで、大変そうだった。
(あと、同じ回を観劇していた友人から「沖田くん、すねにアザ作ってる」と報告されたんですが、下履きはいてたことしかわかんなかったよ。)
一方、副長は余裕綽綽と叩いていてかっこいい。信康さまとは違う余裕感よ。(ドンドコドンを口ずさむ弟おらんしな)
新撰組の曲も非常にかっこよかったですね。
一幕も二幕もめちゃくちゃかっこいいし、壮大でこれも生オケで聞きたい。


そして、ユメひとつは聞きたかった曲なので残していてくれてうれしい。
曲の最後のポーズがキービジュの立ち姿で、堀川くんの背中をひねりながらのポーズが好きだったので、この瞬間大好き。


カテコで、明言はしないけれどこのコロナ渦を共に乗り越えようと言ってくれる男士たちの挨拶が身に沁みましたね…。
翌日あんなお知らせが来るとは知らずにね。

まとめ

観劇前、むすはじのときみたいに追いチケへの欲が爆発したらどうしよう…と思っていたのですが、そんなことはなく、大いに楽しんだ後、穏やかに劇場から帰路につくことができました。よかったよかった。
正直なところ、コロナ前後で観劇、ひいては推し事へのスタンスが変わってしまったことを現場で自覚したので、不完全燃焼なところはあります。
このあたりのモヤモヤはまた改めて書き残しておきたい。


推しへの評価が高いことも、それが反映された舞台構成も、そして期待にしっかり応える推しが見れてハッピーでした。
地方公演、凱旋公演が無事開催されることを心から願っています。


おわり。